住宅地は建てて終わりではない。住む人のルールをどう決めるかを議論する「HOA分科会」を取材しました。
豊かに暮らすための「ルールの策定」
TNDとは建物ができて終わりではありません。そこに「暮らす」「暮らし続ける」ということが、とても重要なファクターとなります。先日行われたHOA分科会では、これからこの3Cに実際に住まうひとたちのために、真剣に話し合いが重ねられました。

そもそも「分科会」とは
全体会議の下に設けられた専門分野ごとの小会議を意味し、最も大きな特徴は「分科会単体では存在しない」というところです。
全体会議は非常に広範囲の議題があり、またそれぞれに対する有識者・担当者が存在しているため、すべての内容を全体会議で行うと膨大な時間とコストがかかってしまいます。そこで登場するのが「分科会」なのです。
今回のテーマは不動産部のメイン担当部門「HOA」です。不動産部のKK氏へのインタビューを交えてお届けいたします。
HOAとは何か
― 改めてHOAについて教えてください
HOAとは「ホームオーナーズアソシエイション」=住宅地経営管理協会を意味しています。アメリカの住宅地が資産価値を保つための3つの大原則のひとつですね。住む人たちがルールを守るための組織で、全居住者に加入してもらい住宅地の維持管理をしていきます。
― 分科会では、どんな議論をしているのでしょうか
住まい方に関わるルールを、一つひとつ議論しています。当初は細かく条件を設ける方向で検討していた項目も、議論を重ねた結果、考え方そのものを見直したものがいくつもありました。
ルールを細かく決めること自体が目的ではありません。できるだけ住む人の意思を尊重する、ということを大事に置いたうえで、どこまでを共通のルールにすべきかを詰めていく。この順番を間違えないようにしています。
― 建物を建てることと同様に、重要な会であることがよくわかりました。最後に一言お願いします
TNDにおいて3C-HOAはとても重要な要素になりますので、今後も分科会を重ね、資産価値向上につながる3C-HOAを完成させていきます!

建てたあとの100年を、いま話し合っている
まだ工事も始まっていない段階で、そこに住む人たちの暮らし方のルールを議論している。住宅地をつくるというのは、建物を建てることではなく、その先の何十年を設計することなのだと、この会に同席するとよくわかります。
この記事に出てくる「3C」について
3C -Cedar Creek Community- は、ボウクスが東京・田園調布で手がけた住宅地開発プロジェクトです(2024年7月竣工)。
その背景にあるのが、TND(Traditional Neighborhood Development / 伝統的近隣住区開発) という考え方です。1軒の家を建てて終わりにするのではなく、街並み、歩道、植栽、そこに住まう人どうしのつながりまでを含めて「ひとつのまち」として設計する、アメリカで育まれてきた都市計画の手法。米国メリーランド州のケントランズなどが、その代表例として知られています。
3Cは、その考え方を日本で形にした、ボウクスの最初のプロジェクトです。
▶ 3C -Cedar Creek Community- 公式サイト(別タブで開きます)
※この記事は、2022年6月に社内報「BOWCS TIMES」で公開したものを、社外向けに再編集したものです。登場する社員はイニシャル表記としています。記載内容は2022年当時の検討段階のものであり、実際に定められた規約の内容とは異なります。
